ご案内

環境影響性の検討(LCA= Life CycleAssessment) も実施しました。
なお,実験品である使用済み家電製品の収集に当たっては,実証プラント立地近隣自治体の清掃センターおよび販売庖などの協力を得て,収集を実施しました。 その際,実験品として寸法,重量などいくつかの制約条件があり,極力この条件に配慮してもらうようにお原買いしました。

前5項で処理のシステムフローの説明をしましたので,ここで各工程の詳細を説明します。 (1) 荷さばき・一次分解工程まず前半の荷ほどき工程では,別に設置しているストック場所からトラックで搬入される使用済み家電製品をクレーンなどを使って降ろします。
荷さばき工程の全景を図6.3に示します。 まず,コンベアラインに投入する前に一次分解作業の邪魔になるものを取り除く目的で作業を行います。
電源コード類を根本から切断し,冷蔵庫の飛び出した取っ手を外し中のかラス棚を取り出す,洗濯機の排水ホースを切断し,エアコンの配管を外し,テレビに足があれば外したりといった作業を実施します。 この後,実験品をプラスチックのパレットに載せコンベアラインに投入します。
途中に設けた認識システムで実験品の品目および型式を識別します。 認識の方法は,テレビカメラで映像を撮り外形寸法を読み取ったり,また別のカメラで‘実験品に張ってある銘板に記載されている型式の文字を読み取ります。
同時に実験品の重量を測定します。 これらの測定データを基にAI利用システムのデータベースと比較,判断を行いパソコンが認識結果を出します。
パレットにはそれぞ、れバーコード(番号)がついており,認識結果によりどのパレットにはどの品目でどんな型式の実験品が載っているのかノfソコンはわかっています。 認識作業が終わると,次のコンベアラインに搬送される途中にいくつかの光センサが設置されており,通過するパレットのバーコードの番号が読み取られ,その情報により実験品の種類を認識し適合する各品目の一次分解ラインに投入するための仕分けを行います。
荷さばき工程の処理性能を,表6.1に示します。 次にこの工程の後半である一次分解工程について説明します。

この工程は, 4品目およびエアコンの室内・室外機に分けるので合計5ラインの構成になっています。 処理対象品は4品目とも標準的な寸法のものとし,特に大型あるいは小型は除いています。
その他の制限条件はそれぞれ以下に示します。 @ テレビラインテレビ一次分解処理フローを図6.4に示します。
実験対象品は,設備費をできるだけ倹約するために次のような制限を設けました。 型サイズは14-29型,重量は70kg以下で,さらに対象外として白黒テレビ,木製でコンソール型, VTR内蔵型,パソコンのモニターなどです。
ブラウン管を取り出すのが処理の主な狙いです。 処理のやり方はまず,切断ロボットが丸ノコで後部キャビネットを分離するために切断を行います。
切断位置は型式認識に基づきAI利用システムのデータベースから指示します。 後部キャビネットを外し,中のほこりを風で払い落とします。
その後,プリント基板,スピーカ,偏向ヨークなどの部品を手分解で外します。 そしてブラウン管を,前面キャビネットに取り付けている4本のネジをネジ外し装置で取り,ブラウン管を取り出します。
またこの時同時にブラウン管のうしろ側についている電子銃を折って取り外します。 ブラウン管は,専用の処理工程でガラスカレットの回収を行います。
手外しのプリント基板ははんだの回収試験を行います。 A 洗濯機ライン洗濯機一次分解処理フローを図6.5に示します。
処理対象品は,全自動または2槽式で重量が30-60kgのものです。 処理の主な狙いは,下部のモータ分離と全自動の洗濯槽上部に充填されているパランサの塩水回収です。

処理のやり方は,大型直線切断機により押さえ装置で押し付けながら一気にモータ部を切り離します。 全自動の場合は,洗濯槽を押し潰し,塩水の回収を行います。
切断位置は,超音波センサで洗濯機の底から内槽底面までの寸法を計測し,あらかじめ調べた統計データで補正し決定します。 2槽式の場合は予備切断として一般的に2個のモータが使われており,大型直線切断機で切断後それらを分離しやすくするために,切断ロボットを用いて丸ノコで洗濯機底部のプラスチック枠に2個のモータの聞に切れ目を入れます。
モータは低温破砕工程で,残りのキャビネットは常温破砕工程で処理を行います。 B エアコン室外機エアコン室外機一次分解処理フローを図6.6に示します。
次の室内機とセットで考え実験対象としては,セパレート型としウインド型や天井埋込型は除き,ヌゲス燃焼型も除きます。 また,重量,寸法も特大,小型は除きます。
室外機の一次分解では,熱交換器,圧縮機,キャビネットの3つに分解するのが主眼です。 熱交換器にいくつかの形状のターンがあり,技術・コストの効率化を考え形状を絞り検討した結果,作業は熱交換器の管板部を切断分離し,さらにキャビネット上部と冷却することになります。
このくらいまで冷却するための冷媒として適当なものがなかなかありません。 したがって,安全で、市場性のある冷媒として液体窒素(大気圧での沸点が-196.C)を採用することにしました。

理量は,平均重量で700kg/hです。 この内訳はおおよそ表6.2のとおりです。
一次分解で分離したモータなどをまず,予冷コンベアに投入し低温の窒素方、スで-30から-50.Cくらいに冷却します。 この窒素ガスはあとの液体窒素浸漬装置中の液体窒素が蒸発して発生する低温の窒素ヌゲスを活用します。
予冷を行った後,液体窒素浸漬装置の液体窒素中に漬けます。 漬ける時間は約1分で,鉄の脆くなる温度,約一100.Cまで冷却することを目標に決めました。
一100℃以下に冷却していくと低温脆性の効果は変わりませんが,液体窒素の消費量増大になります。 液体窒素の消費量は,処理するものに対する重量比(原単位という)で約0.6の割合です。
つまりモータを100kg処理するのに液体窒素が60kg必要ということです。 冷却が完了するとただちに低温破砕機に投入し破砕を行います。
ケーシングの鉄や内部の銅線などがお互いにからみ合わずにばらばらになります。 異なった材料がぱらぱらになる割合(剥離率)は98%以上です。
破砕片の大きさは約5cmが目標で,できるだけ細かくならないように,破砕の要領は衝撃力での破壊および摩擦力による引きちぎりの作用を利用しています。 また,低温破砕の利点としては,破砕時の消費エネルギーが小さい点です。

示します。 低温破砕が常温破砕に比べて消費エネルギーが約1/3-1/2と少ないことがわかります。
低温破砕の後,磁力選別で執を回収します。 磁力選別は2段階で行い, 1段目は吊下げ式で比較的大きな破砕片を回収し, 2段目はドラム式で小さな破砕片を回収します。
鉄の回収はほぼ100%が目標です。 回収率の向上だけでなく,鉄が残ると後の渦電流選別で機械の永久磁石に引き寄せられコンベアを傷つけることになるので,鉄の回収には配慮、が必要となります。

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